今週の面白かったこと #2

見つけた面白い記事とかの備忘録。

毎週火曜日くらいに更新。

今回はこんな感じ。

「欠陥のある自動採点システム」が何百万人もの学生の小論文を評価している

 https://gigazine.net/news/20190902-flawed-algorithms-grade-millions-essays/

アルゴリズムを用いた「自動言語処理AIシステム」、通称「小論文自動採点システム」はアメリカでは一般的になりつつあるが、文章の採点に関しては、AIはまだ信頼性に問題があるのだという。

調査によると、このAIの採点には、特定の人種・国籍に対してバイアスのかかった採点をすることが明らかになった。中国の学生には高い点数を、アフリカ系アメリカ人の学生には低い点数を付与するというものだ。

 

https://gigazine.net/news/20181011-amazon-secret-ai-recruiting-tool/

またAmazonにおいては、就職希望者の履歴書をAIで評価するシステムが「女性蔑視だった」として廃棄されている。2015年のことである。

 

こういった記事に触れて「やはりAIは使い物にならない」などと、一辺倒な評価を下すのは危険というものだ。AIのそういった障害を生み出しているのは、他ならぬ私たちのバイアスなのだから。

どういうことか。

AIが小論文や履歴書を評価するときに用いる判断基準は、人間のそれを参照して作り上げられている。小論文で言えば過去に採点がされてきた数々のデータを、Amazonの例で言えば自社内で評価されている人物を参照し、どのような人材を欲しがっているのかを判断する。

AIが学習の材料にしたそれらのデータは、やはり同じように人種差別がされていたし、女性差別がされていたので、AIもそれにならって「差別」をしたというだけのことである。AIはそういったバイアスを、よりわかりやすい形で可視化してくれるだけにすぎない。

 

僕の友達にはAI肯定論者(正確にはシンギュラリティを待望している人)がいるのだが、彼は「はやくAIが普及して、人間が働かなくてもいいようになってほしい」と冗談半分に言う。そこにベーシックインカムの運用も加えれば、十分に実現可能性のあるビジョンだ。宗教的なものの入り込む余地がなくなりつつある現代において、次に信仰される神が誕生するとすれば、その正体はAIかもしれない。しかしその未来にたどり着くには、まずこういった私たちのそれに基づくバイアスを排除しなければならなさそうだ。

 

人類の文化的躍進のきっかけは、7万年前に起きた「脳の突然変異」だった

https://wired.jp/2019/09/01/recursive-language-and-imagination/

人類(ホモ属)には、かつて私たちの種(ホモ・サピエンス)以外にも多様な種が存在したことは、今日では広く知られている。ネアンデルタール人ホモ・エレクトゥスがその代表例だ。

ホモ・サピエンスが誕生したのはおよそ60万年前(諸説あり)であるが、その時点では今のような支配力はなく、ただの一個の人類種に過ぎなかった。それどころか人類は、食物連鎖のピラミッドにおいて中間くらいに位置する、取るに足らない生物であった。では私たち人類は、どのように食料を得ていたのか?

サバンナにおいて連鎖の頂点は、大きな躰と強い攻撃力を持った種、すなわちライオンだ。ライオンが狩りでしとめ、食らったあとの獲物には、まだ幾らかの肉が残っている。運動能力が劣る他の種にとって、それは貴重な栄養源になりうる。すると人類は、そのライオンの残飯を漁っていたのだろうか? いや、それすらも人類には危険すぎる。次に登場するのはハイエナで、彼らがライオンの残飯を綺麗にたいらげる。その食事が終わるとようやく、人類は周りに敵がいないことを注意深く確かめながら、その残飯へと忍び寄る。もはや肉など残っていない、ただの骨がそこにある。人類はその骨を割って開くと、中にある骨髄を吸って食らった。これが当時の人類にとって、貴重な食料だったのだという。

そんな人類の1種であるホモ・サピエンスが、支配力を持ち始めるようになったのは、およそ7万年から3万年前にかけて起こった「認知革命」によるものだと考えられている。(本記事では「認知革命」という単語は出てこないが、認知革命についての記述と捉えて相違ない。農業革命・科学革命と並ぶ人類の三大革命のひとつであるところの認知革命について、詳しく知りたい諸氏はユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」を読むといいだろう)それは一言でいうと、「新しい思考と意思通達の方法の登場」だ。

前述したサピエンス全史では、認知革命が起こった理由についての説明がない。というより、未だ判明していないのだろう。その認知革命のきっかけについて考察しているのが、本記事だ。

 

魔女たちはなぜ、魔女になったのか

https://www.toibito.com/column/humanities/ethnology/1641

魔女と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。

ある者は胡散臭いと眉をひそめるかもしれないし、またある者は魔女裁判の凄惨な歴史を連想するかもしれない。どちらにしても、現存する職業のひとつであると認識している日本人は、おそらく少数派に属するだろう。

ルーマニア、イギリス、ドイツなどの国では、職業として魔女が存在する。

ことにルーマニアでは、魔女は国家資格でさえあるし、国民の半分以上が魔女の力を信じているというデータも存在する。

対して本記事で扱われているイギリスの魔女には、魔女になるための条件は存在しない。正確には「今日から私は魔女として生きる」と宣言するためのイニシエーションとしての儀式は存在するが、つまり魔女になるのは自己申告制ということだ。

さらに由緒正しい魔女の家系に生まれる必要も、魔女を養成する学校に通う必要もなく、魔女になるための知識は通信教育で得られるのだと言う。

こういうの知識のアップデート、直接何かに結びつくことはないだろうけど、大事じゃね? てか単純に面白くね?みたいな。

 

以下、記事の紹介に留める。

 

哲学がないと人類は生き残れない!?

http://toshin-sekai.com/interview/11/

奇習! 大きな乳首の女性を“生き神様”として珍重&崇拝!

https://tocana.jp/2019/08/post_107542_entry.html

店のメニューにはない「タラコスパゲティ」を注文できる人になるまでの話。

https://note.mu/zimuing/n/n1a3fa3ea95cd